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6.20(FRI)
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ムビチケ

イントロダクション

日本が誇る名優・大杉漣の最後の主演映画『教誨師』が数々の映画賞を受賞し、続く『夜を走る』が多くの映画ファンに衝撃を与えた佐向大監督。そんな彼の最新作『中山教頭の人生テスト』は、とある“小学校”を舞台にしたヒューマンドラマだ。校長になるための昇進試験を控えるごく平凡な教頭先生が、さまざまな個性を持った児童や教師、保護者、そして自身の家族との関わり合いの中で、少しずつ成長していくさまを描いている。
物語の舞台は山梨県のとある小学校。この学校の教頭である中山晴彦は、ひょんなことから5年1組の臨時担任を務めることになる。かつては熱血教師だった彼がクラスを受け持つのは、ずいぶんと久しぶりのこと。どこにでもあるような小学校の、どこにでもあるようなクラスだが、じつは問題ばかりだ。そんな児童たちの日常に寄り添っていくうち、晴彦にもささやかな変化が訪れる。
主人公の教頭先生・中山晴彦を演じるのは、1998年に『ポルノスター』で俳優デビューを果たして以降、日本映画界を支え、牽引し続けてきた渋川清彦だ。2024年公開の『夜明けのすべて』や『箱男』での妙演も記憶に新しい彼が本作では、真面目な性格で周囲に流されやすく、校長には頭が上がらず、愛娘にも邪険に扱われる、そんなどこか頼りない教頭先生を好演している。渋川が体現する等身大の中年男性像は、この社会で他者と共生する私たちにとってある種の象徴的な存在として映るかもしれない。
脇を固める俳優陣にも力のある面々が揃った。規則や秩序を厳守する青葉小学校の校長先生・鷹森を演じるのは、『サッド ヴァケイション』や『わたしのお母さん』の石田えり。そして、何よりも児童たちの気持ちを一番に考える5年1組の正式な担任教師の椎名を演じるのは、連続テレビ小説『さくら』でブレイク後、ドラマ、映画、舞台で活躍を続ける高野志穂だ。この対照的なキャラクターに扮するふたりの俳優と渋川の掛け合いが、本作の見どころのひとつでもある。
さらに晴彦の娘・未散を、これが本格的な映画初出演となる希咲うみ、一癖も二癖もある教師役に『ひみつのなっちゃん。』の渡部秀、『キングダム2 遥かなる大地へ』の高橋努が扮しているほか、『蒲田行進曲』や『異人たちとの夏』の風間杜夫が教育委員会の教育長・岸本に扮し、圧倒的な存在感を示している。また、櫛田遙流、太田結乃、大角英夫らオーディションによって選ばれた若い才能たちが、瑞々しい演技で本作の世界観の構築に貢献しているのも要注目なポイントだ。
純真無垢なように見える子供たちが作り上げる“小学校”とは、ひとつの社会だといえるだろう。その外側から眺める景色と、内側に入り込んで触れる実態には大きな差がある。人間というのは、そんなに分かりやすい単純なものではないし、それは子供も大人も同じだ。誰だってときには間違いを犯してしまうこの社会において、聖人君子なんているのだろうか。ここには佐向監督が見つめる“人間”の姿がある。中山教頭が「人生テスト」の中で導き出す言葉たちは、観る者の心を優しく揺さぶるだろう。

あらすじ

山梨県のとある小学校。教頭の中山晴彦(渋川清彦)は、教員生活30年を迎えた教育現場のベテラン。とても真面目な性格で、誰に対しても物腰柔らかく接する反面、流されやすくどうにも頼りない人物だ。4年前に妻に先立たれた彼は、中学2年生の娘との将来のために校長への昇進を目指しているものの、日々の忙しさから受験勉強はうまく進まない。そんなある日、ひょんなことから晴彦は5年1組の臨時担任を務めることに。子供たちと真正面から向き合うことで、浮き彫りになってくる問題の数々。児童、教師、保護者、そして自身の家族といった、さまざまな者たちの思惑が複雑に絡み合う中、晴彦の人生は緩やかに、けれども確実に動き出していく──。

プロフィール

STAFF

佐向大

脚本・監督佐向大

1971年、神奈川県出身。自主制作のロードムービー『まだ楽園』(06)が各方面から絶賛され劇場公開を果たす。死刑に立ち会う刑務官の姿を描いた吉村昭原作の『休暇』(08・門井肇監督)では脚本を担当、ドバイ国際映画祭審査員特別賞、ヨコハマ映画祭主演男優賞(小林薫)、助演男優賞(西島秀俊)を受賞するなど国内外で高く評価された。10年に『ランニング・オン・エンプティ』で商業監督デビュー。同年、芥川賞作家・玄侑宗久原作『アブラクサスの祭』(加藤直樹監督)の脚本を手掛ける。18年には大杉漣最後の主演作『教誨師』の監督・脚本・原案を務め、大杉に日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞をもたらした。22年に公開した異端のロードムービー『夜を走る』も映画ファンに高く評価された。

CAST

渋川清彦(中山晴彦)

渋川清彦(中山晴彦)

1974年7月2日生まれ、群馬県渋川市出身。1998年に『ポルノスター』(豊田利晃監督)で映画デビュー。2013年、『そして泥船はゆく』(渡辺紘文監督)で単独初主演を飾る。2016年、『お盆の弟』(大埼章監督)、『アノレ』(越川道夫監督)で第37回ヨコハマ映画祭主演男優賞受賞。 2019年、第32回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 助演男優賞受賞。2020年、『半世界』(阪本順治監督)で第34回高崎映画祭最優秀助演男優賞受賞。その他の主な出演作に『Playback』(12/三宅唱監督)、『榎田貿易堂』(18/飯塚健監督)、『泣き虫しょったんの奇跡』(18/豊田利晃監督)、『閉鎖病棟-それぞれの朝-』(19/平山秀幸監督)、『偶然と想像』(21/濱口竜介監督)、『夜明けのすべて』(24/三宅唱監督)、『あるいは、ユートピア』(24/金允洙監督)、『箱男』(24/石井岳龍監督)、『少年と犬』(25/瀬々敬久監督)などがある。

高野志穂(椎名香澄)

高野志穂(椎名香澄)

1979年10月21日生まれ、東京都出身。1998年に女優デビュー。2002年、NHK連続テレビ小説『さくら』でヒロインのさくら役を演じる。近年の主な出演作にドラマ「定年女子」(17/NHK BS)、「シグナル 長期未解決事件捜査班」(18/CX)、「鉄オタ道子、2万キロ」(22/TX)、「南海トラフ巨大地震」(23/NHKスペシャル)などがある。

希咲うみ(中山未散)

希咲うみ(中山未散)

2010年6月25日生まれ、神奈川県出身。2021年、スタースカウト総選挙にて審査員特別賞を受賞。NHK第48回創作テレビドラマ大賞「明日、輝く」やNHK「聞けなかったあのこと」に出演。本作が映画デビュー作となる。2022年からりぼんガールを務め、ミスセブンティーン2024にてSeventeen専属モデルに決定。2025年からはハルタイメージガールに就任するなどモデルとしても活躍中。

渡部秀(黒川良太郎)

渡部秀(黒川良太郎)

1991年10月26日生まれ、秋田県出身。2008年、第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリ受賞、芸能界入り。近年の主な出演作に『おみおくり』(18/伊藤秀裕監督)、『愛唄-約束のナクヒト-』(19/川村泰祐監督)、『ペルセポネーの泪』(21/磯部鉄平監督)、『科捜研の女-劇場版-』(21/兼崎涼介監督)『ひみつのなっちゃん。』(23/田中和次朗監督)、『おいハンサム‼』(24/山口雅俊監督)などがある。

高橋努(葉山 源)

高橋努(葉山 源)

1978年8月23日生まれ、東京都県出身。演劇チーム「渋谷ハチ公前」を主宰、作・演出も担当。近年の主な出演作に『夜を走る』(22/佐向大監督)、『キングダム2 遥かなる大地へ』(22/佐藤信介監督)、『散歩時間~その日を待ちながら~』(22/戸田彬弘監督)、『有り、触れた、未来』(23/山本透監督)、『わたしの幸せな結婚』(23/塚原あゆ子監督)、『乱歩の幻影』(24/秋山純監督)などがある。

風間杜夫(岸本雄介)

風間杜夫(岸本雄介)

1949年4月26日生まれ、東京都出身。主な映画出演作に『青天の霹靂』(14/劇団ひとり監督)、『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』(16/金子修介監督)、『本能寺ホテル』(17/鈴木雅之監督)、『こいのわ 婚活クルージング』(17/金子修介監督)、『のみとり侍』(18/鶴橋康夫監督)、『アンダードッグ』(20/武正晴監督)、『君の忘れ方』(25/作道雄監督)などがある。

石田えり(鷹森真希)

石田えり(鷹森真希)

熊本県出身。『遠雷』(80/根岸吉太郎)で日本アカデミー賞優秀主演賞と優秀新人賞、『華の乱』(88/深作欣二)や『飛ぶ夢をしばらく見ない』(90/須川栄三)などで日本アカデミー賞最優秀助演賞などを重ねて受賞。 カンヌ映画祭コンペティション部門出品の『嵐が丘』(88/吉田喜重)、ヴェネチア映画祭オリゾンテ部門オープニング作品『サッド ヴァケイション』(07/青山真治)他に出演。 ヘルムート・ニュートンが撮影した写真集「罪-immorale-」(93)は大きな話題を呼んだ。2019年には、『G.I.ジョー・漆黒のスネークアイズ』(21/ロベルト・シュヴェンケ)で、ハリウッドデビュー。長編初監督作「私の見た世界」が7月26日より全国公開される。

櫛田遙流(増田礼央奈)

櫛田遙流(増田礼央奈)

2012年5月31日生まれ、千葉県出身。主な出演作に「憑きそい」(23/CX)、 「新宿野戦病院」(24/CX)、「日本一の最低男※私の家族はニセモノだった」(24/CX)などがある。

太田結乃(富沢愛里沙)

太田結乃(富沢愛里沙)

2012年7月25日生まれ、埼玉県出身。主な出演作に『生きちゃった』(20/石井裕也監督)、『189』(21/加門幾生監督)、NHK連続テレビ小説「らんまん」(23)などがある。『片思い世界』(25/土井裕泰監督)では広瀬すずさん(相良美咲)の幼少期役で出演している。

大角英夫(本間竜之介)

大角英夫(本間竜之介)

2013年1月30日生まれ、東京都出身。TBS「ライオンの隠れ家」で柳楽優弥さん演じる洸人の幼少期役で出演している。

矢部玲奈(杉田茉莉)

矢部玲奈(杉田茉莉)

2012年7月1日生まれ、東京都出身。主な出演作に【写真家たちのショートフィルム】『なぜか突然、とても眠くなってしまった』(22/澁谷征司監督)、『その声のあなたへ』主人公・武田結花(幼少期)役(22/榊原有佑監督)、Huluオリジナル「おとなになっても」吉住一花役 (4月26日配信開始)などがある。

笹木祐良(宮本健人)

笹木祐良(宮本健人)

2011年6月20日生まれ、東京都出身。主な出演作にドラマCX『世にも奇妙な物語 '21秋の特別編』(20)、映画『光る校庭』(23/比嘉一志監督)などがある。

田野井健(佐々木悠馬)

田野井健(佐々木悠馬)

2009年5月20日生まれ、東京都出身。主な出演作に『子供はわかってあげない』(21沖田修一監督)、『さかなのこ』(22/沖田修一監督)などがある。